『積水ハウスってどうですか?』
こんな質問を良くされます
確かに分かりにくいんですよね・・・
特に積水ハウスは他のメーカーと比べて特徴が見えにくいため、得体の知れない大企業というイメージが強いと思います。
だから多くの人は
- 積水ハウスって大企業だから取り敢えず安心なんでしょ
- 積水ハウスは知名度が高いけど、何が特徴なのか分からない
- 積水ハウスって金額が高そう
みたいなイメージは持っている場合が殆どです
要はどんな家を作ってる企業なのかサッパリ分からないわけです
なので、今回は
という主旨で書き進めていきます
YouTubeでも色々と話しているんですが、ブログならではの要素も組み込んでいきます
これから注文住宅を検討される方は是非とも参考にしてみてください!
良かったらYouTubeもありますので、テキストより動画派の人はこちらからどうぞ!
積水ハウスの特徴【その1】:業界No,1の企業!
企業概要
まずは積水ハウスの企業概要から見ていきます
設立1960年
本社: 大阪市北区大淀中一丁目1番88号 梅田スカイビル タワーイースト
従業員数16616名(内、一級建築士2919名)
チーフアーキテクト279名
やはり日本最大のハウスメーカー
従業員数も1級建築士の数も圧倒的です
営業拠点は沖縄を除く全国に展開しており、2018年の着工頭数は1万3000件で業界第1位です
現在の累計建築戸数は248万戸
数十年にわたり住宅業界のトップランナーとして業界を牽引し続けてきました
また、積水ハウスにはチーフアーキテクトという制度があります
チーフアーキテクトとは簡単に言うと本社選抜の設計集団です
現在は全国で279名いて、その認定方法は自分が提案したお客様の家をベースにプレゼンテーションを作成
社内審査と社内アンケートを行い、
この両方で認められることでチーフアーキテクトになることができます
チーフアーキテクトは各都道府県に必ず一人はいます
更にチーフアーキテクトが自分の担当になったからと言って、別途料金がかかるわけではありません!
その点は非常に良いですよね!
自分の担当営業マンの社内政治力が必要になります・・・
そうなれば担当ガチャは無くなるかもしれませんね
商品ラインナップ
積水ハウスには『鉄骨系』の商品と『木造系』の商品、両方が存在します
どちらにするのかは完全に個人の好みです
それぞれ特徴となる部分をご紹介していきます
積水ハウス鉄骨造【ダインコンクリート】
積水ハウスの鉄骨造の特徴と言えば、このダインコンクリートと呼ばれる堀の深い外壁です
この壁は軽量気泡コンクリート(ヘーベル版とも言う)に更にガラス繊維を加えたものになります
それにより軽量気泡コンクリートよりも硬く、更に水にも強い外壁になっています
ちなみに一般的に軽量気泡コンクリートは水や寒冷地に弱いとされています
理由は気泡の中に水分り凍結することで水分が膨張
外壁にヒビを入れてしまう可能性があるとされているからです
ペットボトルのジュースを冷凍庫に入れるとパンパンに膨らむのと同じ感じですね
なので軽量気泡コンクリートで家を建てているヘーベルハウスは東北などの寒冷地では建築していないのですが、
積水ハウスのダインコンクリートは全国で建築が可能な外壁です
積水ハウス鉄骨造【シーカス】
もう一つ、積水ハウスの鉄骨造で特徴的なのが『シーカス』と呼ばれる制振装置です
そもそも鉄骨造の建物は地震などで非常に揺れやすいとされています
これは鉄という素材自体の特徴なので仕方のないことなんです
とは言え、地震大国日本において家が揺れやすい状態なのはマズイです
例えば地震の揺れにより、外壁や室内のクロスにヒビが入る可能性があります
すると、浸水の原因やメンテナンス費用の増加に繋がるわけですね
ただこのシーカスは揺れやすい鉄骨造の家を揺れにくくしてくれるんです
だから大災害時の家の補修費用も最小限で済むんです
実際に積水ハウスは過去の大地震は全壊、半壊ゼロであり、
一部損壊があった場合の建物の修繕費は平均して30万円から40万円程度で済むそうです
これって高額に感じるかもしれませんが、以下の実績を見るとそもそもの分母が少ないことが分かります
■1995 年 阪神淡路大震災 被災エリア 29,692 棟 一部損傷 2,783 棟(シーカスがない時代)
■2011 年 東日本大震災 被災エリア 12,600 棟(内シーカス 226 棟) 一部損傷 106 棟(内シーカス 1 棟)
■2016 年 熊本地震 被災エリア 9,750 棟(内シーカス 574 棟) 一部損傷 73 棟(内シーカス 3 棟)
一部損傷と聞くと何やら大事のように聞こえますが、そんなことはないんです
一応、客観的な資料として内閣府が出している資料も掲載しておきます
しかし、積水ハウス意外にも制振装置を付けて住宅を販売しているメーカーはたくさんあります
では積水ハウスは他のメーカーと何が違うのかというと、『高減衰ゴム』と呼ばれる地震の力を吸収するゴムの配置です
実は積水ハウスのシーカス内部にある『高減衰ゴム』は鋼管の間に密閉されている造りになっています
これによりゴムの劣化を防いでるわけなんですね
これが他のハウスメーカーにはない積水ハウスオリジナルの制振装置の特徴になります
積水ハウス木造【ベルバーン】
積水ハウスの木造と言えば『陶器外壁ベルバーン』
この外壁も強度が凄まじく釘でガツガツ擦っても傷が付かないという代物です
更に陶器なのでお茶碗と一緒の素材です
そのため、メンテナンスが要らず綺麗な状態のまま家の外観を保つことができるんですね
また、積水ハウス側がベルバーンを世の中に広めたいため、
ベルバーンを採用すると『ベルバーン割引』なるものを獲得することができます
これにより、一部の社員から『ベルバーンはセール品』と呼ばれていたりします
積水ハウスの特徴【その2】調べるほど分かる安心の構造躯体
さて、簡単に積水ハウスの概要から各製品の大きな特徴まで解説してきました。
ここから更にマニアックになっていきます!
積水ハウスの特徴的な性能【基礎】
個人的に積水ハウスは『基礎』が一番特徴的だと思ってます
というのも、そもそも木造系のハウスメーカーは通常二回に分けて基礎を造ります
これはRC造や鉄骨造の建物ではやらないので、木造のみで見られる現象なんですね
では、なぜ木造だけ基礎を二回に分けて作るのかというと、
それは施工が簡単だからです
つまり言い換えると、
住宅業界は『構造の合理性』よりも『施工性』を選択しているメーカーが多いということです
そんな中、積水ハウスは基礎を一回で作っているんです
それにより打ち継ぎ面のない基礎が出来上がります
すると強度の高い基礎を作れるんです
実際に福岡建設専門学校というところが出している
『新旧コンクリート打ち継ぎ面、強度に関する研究』という論文を見てみると以下のような表が掲載されています
この表で何を伝えたいのかというと、
要は一回で作った基礎の強度を100とした場合、
未処理、つまり二回に分けて基礎を作ったものと比較をすると30しか強度を発揮できないわけです
これだけ強度に差が出ると分かっているのに、
実は木造系のハウスメーカーの中で基礎を一回で作っているのは積水ハウスとダイワハウスだけなんです
この2社は鉄骨住宅を売っている会社でもあるため、
基礎を強固に作るノウハウがあるのかなと思ってます
もうこれだけで他のメーカーとの大きな差別化になっているのが分かると思います
注文住宅を購入しようと思うと、ついつい目立つところに目が行きがちですが、
建物を支えてくれているベース部分は基礎です
各メーカーの作り方をしっかりと比較しましょう
積水ハウスの特徴的な性能【通気】
続いて『通気』についてです
今まで建築に触れてこなかった人からすると、なぜ通気が必要なのか分からないと思います
簡単に言えば『住宅が高気密高断熱化したことにより、構造体内部に湿気が溜まりやすくなった』からです
これを業界では『通気工法』とか言ったりします
そしてこの通気工法は歴史が浅く、2002年くらいに出始めた言葉なんですね
要は2002年くらいからようやく日本で高気密高断熱の家が出来始めたということです
しかし、何事にも失敗は付き物で、
住宅を高気密高断熱化にするために今までよりも断熱材を厚めに入れたところ、
湿気が抜けず構造体内部で断熱材がベチャベチャになってしまう現象が起きました
そんな経緯があって各社通気に力を入れ始めたわけです
さて、大枠を理解してもらったところで
ここから積水ハウスの通気に関する特徴を説明していきます
積水ハウスは『デュアルベンチレーションシステム』という作り方で
ソトとウチ、両方から通気層を設けているんですね
これ、めちゃくちゃ合理的に作り方で、実は湿気って、ウチとソト、両方で発生するんです
それをきちんと逃す作り方になっているんですよ
もう少し具体的に説明をすると、湿気って基本的に外よりも室内の方が多いんですね
イメージしてもらえれば分かるかと思いますが、
例えば人間って生活するだけで汗をかきますし、呼吸もしますよね
更に家にはキッチンなどの水回りもあるわけです
だから室内って常に水分にさらされている環境なんです
しかも今の住宅っても高気密高断熱の家なんで、湿気が逃げにくいんですよ
なので今の家って外に比べて室内の方が単位面積あたりの湿気は多い傾向にあるわけです。
昔の家と違って隙間がないのが今の住宅の特徴ですからね
じゃあ、その抜けにくくなった湿気ってどうなるのかって話なんですが、
実は壁を通って構造体の中に逃げて行くんです
だから湿気の逃げ道がないと、
外と室内の温度差によって構造体内部で結露してしまうんです。
これを壁内結露、もしくは冬型結露とか言ったりします
例えばイメージしてみてください
冬って空気が乾燥するじゃないですか
だから室内は加湿器をかけて暖かいと思うんですが、外の空気はカラカラで寒いわけです
当然、温度差がわけあるので、どこかで結露を起こすんです
その何処かっていうのが住宅の場合、構造体の内部であって、
そこから発生する結露を防止するために、積水ハウスは室内側に通気層を設けているんです。
そしてもう一つ、積水ハウスは外からの通気層も儲けています
これは『冬型結露』とは逆の『夏型結露対策』です
どう言うことかと言うと、
先ほどお伝えした通り、基本的に湿気は室内の方が多いんです
でも夏になるとクーラーや除湿機を使うので、室内の方が乾燥して冷えます
しかし、外はジメッとした空気で更に暑いわけです
すると、そこからの温度差で今度は外から結露を起こす可能性があるんです
さっきと逆ですよね?
これをこれを『夏型結露』と言います。
なので積水ハウスは高気密高断熱の家を作りつつ、
更に日本の気候に合わせた家作りをするために
「デュアルベンチレーションシステム」なる作り方で通気層を取り、家作りをしているんですね
積水ハウスの特徴的な性能【断熱性】
これ、知らない人が多いですし、営業マンも自ら提案する人が少ないので注意が必要なんですが、
実な積水ハウスはめちゃくちゃ細かく断熱材の仕様をいじれます
上記の表はあくまでその一部です
本体価格の1%から2%アップで断熱材の仕様を変更できますので、
もし気になる方がいれば変更しても良いかもしれません
やらない手はないかと!
積水ハウスの特徴【その3】デザインと性能の両立を目指している
先ほどまでは建物の機能面について語ってきましたが、今度はデザインについてです
積水ハウスはデザインについても調べると物凄い奥深いんですよ
というのも、積水ハウスの今のデザインの根幹は『クニタケさん』という建築士の方です
この方の設計思想が社内で広がり、それぞれの流派のようになっているんです
だから一部の設計士は、建築家寄りの考え方を持っているんですよね
そういった社内文化もあってか、
積水ハウスはデザインと性能の両立を目指しているように思えます
例えばその最たる例が『窓』です
こちらは積水ハウスが使っている超⾼断熱アルミ樹脂複合サッシ(SAJサッシ)と呼ばれる窓です
いや、何でアルミ樹脂複合サッシなの?
って思われる方も多いと思います
ネットで調べるとアルミ樹脂複合サッシは『結露する』『断熱性能が低い』と、散々言われてますからね
それは分かるんです
でもアルミ樹脂複合サッシよりも性能が良いと言われている樹脂サッシは、素材が『樹脂』です
つまりアルミよりも強度が劣るんですよね
するとどうなるのかというと、
素材自体の強度の問題で大開口が作れないという現象が起きてくるわけです
日本人は昔から窓を大きく取った大開口の家に住んできました
そういった日本昔ながらの家作りの仕方を現在に継承しつつ、
更に台風などの被害からそこに住む人を守るための配慮、
そしてデザイン性・・・
これらを全て両立させるにはアルミ樹脂複合サッシが今のところベストであって、
日本においてはアルミ樹脂複合サッシの性能を上げることが正解なわけです
(もちろん窓の小さい家を作るなら樹脂サッシの方が良いと思います)
そんな中、積水ハウスは一般のアルミ樹脂サッシの約1.4倍の断熱性能を持つ
超⾼断熱アルミ樹脂複合サッシ(SAJサッシ)を使っています
更になるべく開放的な空間を作るために、窓枠が目立たないよう設計できるようにもなってるんです
出典:AGORA2020年1月&2月号P48
積水ハウスの特徴【その4】社内格差『西高東低』
上記のようなデザイン思想があるものの、どうしても本社が関西にあるので設計力レベルは関西の方が高い
そのため、社内では『西高東低』なんていう言葉もあるくらいです
ただ関東であっても、関西で通用するような優秀な設計士は数名います
その数名の設計士を引き当てて自分の担当にするのは相当ハードルが高いのですが、
担当ガチャがあるのが今の現状です
積水ハウスの特徴【その5】金額が高く、値引率も低い
そして最後の積水ハウスの特徴ですが、それが金額が高く、値引率も低いということです
今まで説明してきた通り、積水ハウスは金額が高いなりの理由があります
なので仕方ないと言えば仕方ないのですが、それでも金額は高いです
恐らく業界で一番高い金額で現在は低くても坪95万円前後です
少しでも安くして欲しい!
出来れば良い営業担当や良い設計士を自分の担当にしたい!
そう思う方は是非ともご相談ください
私の持っている全てのリソースを最大限活用してサポートします
まとめ:積水ハウスの特徴!!
というわけで、積水ハウスの特徴をつらつらと書き進めてみました
簡単にまとめると、積水ハウスの特徴は『高いけど、良い家』だということです
ただし積水ハウスはあくまで料理の『材料』を提供しているだけです
その材料をどう調理するのかは担当者によって変わってきます
同じ価格の家でもクオリティに差が出るのが注文住宅です
この点は常に意識して担当者選びをしてみてください
もし必要であれば担当者の紹介や値引き代行も行っています
気軽にお声がけください!